スタジアムで、スケッチブックを開いた
先週の日曜日、パパとサッカーの試合を観に行ったんだ。
ニッパツ三ツ沢球技場。横浜の、少し坂を上がったところにあるスタジアムな。
試合が始まる前、周りの人はスマホで写真を撮ってた。
みなとはスケッチブックを出した。
最初は「なんで絵?」って自分でも思ったよ。
でも、カメラって一瞬しか切り取れないじゃないか。
絵は、手を動かしている間ずっとそこを見ていられるんだ。
芝の緑が均一じゃないことに気づいたのは、鉛筆で輪郭を引き始めてからだった。
刈り目の方向で色の濃さが少し違う。
光の角度で、ゴール裏の芝だけ白っぽく光ってた。
写真じゃたぶん気にしなかったな、と思った。
身体で感じる観戦の記録
試合中も手を動かし続けた。
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選手の動きは速くて追えないから、形じゃなくて「感じ」を描いた。
シュートが外れた瞬間のスタンドの息をのむ感じ。
ゴールが決まったあとの、どっと押し寄せてくる声の温かい圧力。
隣のパパが立ち上がって、みなとの肩に手を置いた感触。
それって、言葉にしようとするとなぜか薄くなる。
でも線や色で残すと、なぜかそのときの身体の感じが戻ってくるんだ。
絵日記って、うまく描く必要はないな、と最近思う。
上手い下手より、「そのとき自分がどこを見ていたか」が残るから好きなんだ。
帰り道、夕方の横浜の光がコーチジャケットの袖にオレンジ色を落としてた。
それもちゃんと、最後のページに小さく描いておいた。
スタジアムの芝の匂いと、潮風が少し混ざった感じも、一緒に。
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