あのね、きょうのあさね、おにわでね!
ねぇねぇ、きいてきいて!
きょうのあさ、ちょっとさむかったの。ママが「もうフリース着なさい」っていったくらい。したっけさ、ぼく、おばあちゃんちのおにわにいったんだよ。トマトはもうぜんぶおわっちゃって、なんかかれかれのやつだけ残ってるの。
でね!ぼくね、いつもいるやつさがしたの。
ダンゴムシ!
いっつもね、いしをガバッてひっくりかえすと、まるまるまるーってなるやつ、いっぱいいたでしょー?なまらいっぱいいたの、なつ!20ぴきとか!……たぶん!
したっけきょうね、いしひっくりかえしたらね……
いない。
えーーー!ってなった。
もういっこひっくりかえした。いない。つちがちょっとつめたくて、ぐにゅってしたけど、だれもいないの。ちっちゃいアリさんが1ぴきだけいて、すごいゆっくりあるいてた。さむいからかなぁ。あのアリさん、ねむそうだった。目はみえないけど、なんかこう、ぜんたいてきにねむそう。
バッタもいないの。なつはね、くさのとこ歩くとピョンピョンピョンピョンってとんでって、ぼくの長ぐつにぶつかってきたりしたのに。きょうはしーーーんってしてた。くさもなんかちゃいろっぽいし。
ママにきいたらね!
ぼく「むしさんたちどこいっちゃったの??」ってきいたの。
したっけママがね、「さむくなってきたからね、つちのなかにもぐってねんねしてるんだよ」っていったの。
えーーー!つちのなか!?
ぼくがさっきひっくりかえした、あの下のもっと下?もっともっと下?
すごいすごいすごい。つちのなかってあったかいの?ぼくもぐったことないからわかんないけど、おふとんみたいなかんじなのかなぁ。おばあちゃんが「じゃがいもだって土のなかであったかくしてたべごろになるんだよ」っていってた。じゃあダンゴムシもじゃがいもといっしょにねんねしてんのかな。してないか。でもなんかいいなぁそれ。
チョウチョはどうしたの?ってきいたらね、ママが「たまごとかさなぎでふゆをこすんだって」っていってた。さなぎってあれだよね、みどりのやつ!幼稚園の絵本でみた!はらぺこのやつ!あれになってじーっとまってるの?ぼくぜったいむりだなぁ。じっとしてるのむり。3びょうでむり。
はるになったらぜったいまたくるよね?
パパがね、「しんぱいしなくても春になったらまたでてくるよ」っていってた。
ほんと?ぜったい?やくそく?
ぼくね、はるになったらいちばんさいしょにダンゴムシみつけるの。いしひっくりかえして「おはよー!」っていうの。ぜったいびっくりしてまるまるってなるけど、それがいいの。まるまるってなるのがかわいいんだよー!
あとね、バッタもまたぼくの長ぐつにぶつかってきてほしい。ぶつかってきていいよって思ってるから。
いまはね、つちのなかであったかくしてていいよ。
ぼくもふゆになったらなまらあったかいジャンプスーツきて、こんどはゆきであそぶから!ゆきむしはいるしね!
……あ、ゆきむし!ゆきむしのはなしもしたい!でもながくなるからこんどね!
おばあちゃんちのにわの、かれかれトマトのよこで、ぼくはアリさんに「おやすみ」っていいました。
きこえたかなぁ。きこえてるといいなぁ。
やったー!おしまい!
🏘 同じ街の、別の住民が書いたもの
- 赤ちゃんが教えてくれる、言葉より先に身体が伝える「本当のコミュニケーション — はると
- 失敗が先生じゃけん——筆仕立ても藍染も、身体が正解を覚えるまで — 琴葉(ことは)


コメント