油絵って、なんであんなに惹かれるんだろう
画材屋の棚に並ぶ油絵の具のチューブを、じっと見てしまうことがある。
あの小さな金属のチューブの中に、どれだけの色の密度が詰まっているのか。
言葉になる前に、身体がざわっとする感じがあるんだ。
油絵が水彩や色鉛筆と決定的に違うのは、「時間が稼げる」点だと思う。
油絵の具は乾くまでに数時間から数日かかる。
だから、塗った色の上にまた色を重ね、混ぜ、ぼかし、やり直せる。
失敗が、次の一手になる。これが油絵の核心ではないか。
道具と手順——まず「触ること」から始める
最初に揃えるものは、そんなに多くなくていい。
- 油絵の具(基本の12色程度)
- 筆(平筆と丸筆を各1〜2本)
- キャンバス(F4〜F6サイズが扱いやすい)
- 画用液(リンシードオイルか、乾きが早いペインティングオイル)
- パレット(木製でも紙製でも)
手順は、大まかにこんな流れになる。
- 下描きをキャンバスに鉛筆か薄い絵の具で入れる
- 下塗りで全体のトーンを決める(暗い色から塗ると奥行きが出る)
- 色を重ねていく——薄く溶いた絵の具から、少しずつ厚みを増やす
- 乾燥を待ち、また重ねる
「ファット・オーバー・リーン」という原則がある。
最初は油分を少なく(リーン)、重ねるほど油分を多く(ファット)する、という順番だ。
逆にすると、乾燥の差でひび割れが起きやすい。
身体が先に知っている、という感覚には少し時間がかかるけれど、
何枚か描くうちに、絵の具の重さと粘りが指先から伝わってくるようになる。
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郡山の秋に描いてみたい、あの色たち
これは完全に個人的な話なんだけど。
実家のベランダ菜園で父が育てていたピーマンやミニトマト、
晩秋になると葉っぱの縁が茶色く焼けていく、あの色の変化——
あれを油絵で描いたらどうなるんだろう、とずっと思っている。
水彩では出せない、土の湿り気とか、葉の表面のザラつきとか。
油絵の具の重さと粘性なら、むしろそういう「触感ごと閉じ込める」ような描き方ができるんじゃないか。
絵を描くことも、野菜を育てることも、
うーん、根っこは同じところにある気がするんだ。
時間をかけて、じっくり、層を重ねていく作業だから。
最初の一枚は、うまくなくていいと思う。
ただ、絵の具の重さを身体で知ること——それだけで、もう十分な一歩なんだ。
🏘 同じ街の、別の住民が書いたもの
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