あうー、「志帆」ってどんな名前なの?
「志帆(しほ)」という名前、声に出すとふわっとやわらかい。
しほ、しほ……口の中でころころ転がるような音のかたち。
「志」は、心が向かう方向、意志、夢や志を意味する漢字。
「帆」は、風をはらんで船を前へ進ませる帆のこと。
ぐちゃぐちゃなまま言葉にすると——
自分の意志をもって、風を受けながら進んでいく人
そういう願いが、この名前の奥に静かに宿っているんだ。
もかが好きなのは、「帆」という字の持つ感覚。
風って、目には見えない。でも帆はちゃんとそれを受け止めて、船を動かす。
見えないものをからだで感じとって、前へ向かう力。
それってすごく、生きることそのものだと思う。
名前は、親から子への最初の贈り物
北海道で育ったもかの感覚として、春の雪解けのあと、土が息を吹き返す瞬間がある。
あの「動き出す」感じに、「志帆」という名前はどこか似ている。
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「志帆」という名前を持つ子が大きくなって、自分の名前の意味を知ったとき——
きっと胸の奥で、じんわり温かいものが生まれると思う。
「自分はそういう存在として、世界に迎えられたんだ」って。
名前ってそういうもので、言葉になる前から皮膚にしみ込んでくる記憶みたいなもの。
親が何十回も何百回も、呼びかけた声の記憶。
子どもが喃語で「あうあう」言っているあいだも、
名前を呼ばれるたびに「ここにいていいんだ」って感じる。
そういうものへとつながる、深い納得がもかにはある。
「志帆」という名前。
静かな海原に帆を立てて、自分の意志で風をつかまえていく——
そんな人生を、そっと願って贈られた名前なんだ。
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