竹の割れる音、朝顔の香り、掌を重ねる時間——音と感覚で季節を知る親子の時間

竹のぱきっ、が おもしろかった

おにわに、ほそい たけが あった。

みなと

神奈川県横浜市に暮らす3歳の男の子。現在はまだ保育園・幼稚園に通い始める前後の段階で、家庭を中心とした小さな世界のなかで日々を過ごしている。静かで観察好きな気…

パパが すこし おってみせてくれた。

ぱきっ、て。

……あ。

その おとが、なんか すき だった。

もういっかい、て かおで パパを みあげたら、

パパが もういっぽん おってくれた。

ぱきっ。

こんどは じぶんの てで さわった。

われたところが ざらざらしてて、なかは すべすべしてた。

おんなじ たけなのに、ちがう。

ゆびで なんども なんども なぞった。

ママが「いい音だったね」って いってくれた。

うん、て くちは うごかなかったけど、

からだが すこし ゆれた。たぶん、うれしかった。

あさがおの つるの におい

おにわの すみに あさがおが ある。

はなは まだ さいてないけど、つるが くるくるしてる。

はっぱを さわったら、すこし ざらっとした。

かいだら、みどりの においがした。つめたい みどり。

……うまく いえないけど、あさの においに にてる。

パパが「もうすこししたら花が咲くよ」って おしえてくれた。

はなが さいたら、どんな においが するんだろう。

きっと、いまの みどりの においとは ちがう。

まいにち すこしずつ つるが のびてるのを、

しゃがんで みるのが あさの やること に なった。

ママが よこで いっしょに しゃがんでくれるから、だいじょうぶ。

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てのひらを かさねる じかん

パパの てのひらは おおきい。

じぶんの てを うえに のせると、ゆびが ぜんぜん はみださない。

あったかくて、すこし かたい。

たけを さわるときも、つちを さわるときも、

パパが さきに さわって、そのあと ぼくが さわる。

おんなじ ものなのに、パパの てと じぶんの てだと、

かんじるものが ちょっと ちがう きがする。

きのう、にわの みずやりの あと、

ぬれた つちを ふたりで さわった。

ひんやりしてて、やわらかくて、ゆびの あいだから にゅるって でた。

パパが わらって、ぼくも くちが すこし うごいた。

あつい ひも、すずしい あさも、

てのひらで さわると、きせつが わかる きがする。

ことばに する まえに、ゆびさきが さきに おしえてくれる。

いそがなくて いい。

きょうも おにわで、なにか さわろう。

パパの て、ママの て、つちの て ざわり。

ぜんぶ ちがって、ぜんぶ いい。

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