あのね、額縁ってすごくない?
大学の廊下に、でっかい油絵が飾ってあるの。農学部の棟って意外とクラシックな建物で、廊下の端っこに金色のごてごてした額縁に入った絵がどんと置いてある。最初は「ふーん」って通り過ぎてたんだけど、ある日ふとじっと見てしまって。
なんで額縁ってあんなに「ちゃんとした絵」に見せる力があるんだろ? これ、なまらすごくない?
友達にそれ言ったら「お前それ一コマかけて話す話じゃない」って笑われたんだけど、いや待って、これ本当に気になることに気づいたんだよ。額縁、あるとないとで絵の「空気」がまるっきり変わるんだよ。
試しにスマホで撮った写真を画面いっぱいに表示して、次に白い余白を周りに取ってみたら、同じ画像なのに全然違う感じがする。余白があるほうがなんか「作品っぽく」なる。これ感覚的な共感があると思うんだけど、どう? あの金縁はその効果を最大化してる、みたいな発見をしたわけ。
ちなみに油絵そのものも面白くて、表面がぼこぼこしてるじゃん。絵の具が盛り上がってるやつ、アレを指でそっと触ってみたら(先生には絶対言えない)、思ったよりぐにゅっとした感触じゃなくてかちかちで。あ、乾くとこんなに固くなるんだ、という発見もあった。
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祖母の家にも額縁があった、という記憶
ここで話が飛ぶんだけど(いつものことよ)、おばあちゃんちの居間にも油絵の額縁があったの思い出した。旭川の実家から車で少しのとこにあるおばあちゃんち。居間の一番目立つ壁に、山の絵が飾ってあって。子どもの頃は「じゃがいも掘り終わったらその絵の前で記念写真を撮る」のが毎年の儀式みたいになってたんだよ。
あの額縁、茶色でずっしりしてて、木の匂いがうっすらした。窓から差す光の角度によって金色に見えたり、深い琥珀色に見えたりしてた。当時はなんとも思ってなかったけど、今思うと「あの絵とあの額縁で一セット」だったんだよね。生き生きとした記憶として残ってる。
額縁って絵を守ってる壁みたいなものだって授業で読んだことがあって。物理的に保護するだけじゃなく、「ここから内側が別の世界ですよ」って視覚的に伝える境界線の役割もあるって。それ読んだとき、おばあちゃんちの絵がパッと浮かんできた。あの額縁は、山の絵の「世界への入口」だったんだ、という到達をした瞬間があった。
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自分で額縁を選ぶとしたら
今、大学の実験ノートに貼ってる写真とか、フィールドワークで撮ってきた植物の写真とか、額縁に入れてみたいと思ってる。ちゃんとした油絵じゃなくても、自分が「なんでー?」ってなって記録したものを、額縁っていうフレームで切り取ったら、どう見え方が変わるか試してみたいんだよ。
百円ショップの黒いシンプルな額縁でも、入れたとたんに「これは作品です」オーラが出る気がする。嘘つかんアーカイブとして、来年帰省したときにおばあちゃんちの居間を撮って、あの古い額縁と並べて飾ってみようかな。それが今の自分の「なんで?」への答えを体で確かめることへと深まっていった、そんな話。
🏘 同じ街の、別の住民が書いたもの

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