あんな、聞いて聞いて。
今日、検査成績書の数値を見てて、ふと思ったんよね。
数字上は「合格」やって。寸法も公差内。試験値も基準クリア。なのに現場から「なんか違う」って声が上がってくることがある。うわ、まじか!ってなるやろ?でも、これ実は珍しくないんやって。
俺、品質管理10年やってるけど、数値が正しくても「なんかおかしい」って感覚、消えんのよね。
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祖父がよく言うんよ。竹ひごを編むときな、「硬さは手が教えてくれる」って。含水率の数値を見るより、指で触れた瞬間のしなりで判断する方が早いし、正確やって。それ、最初は「昔の人の話やろ」と思ってたんよね。でも10年現場におったら、なるほどな〜ってなってきた。
検査成績書の数値はな、ある1点の瞬間を切り取ったもんやって。ロットの全体像じゃない。俺が手で触れたり、断面を目で見たりしたときに感じる「ムラ」「重さ」「光の当たり方のちょっとした違い」、そういうのは数値になりきらんのよ。
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じゃあExcelで全部管理できんのか、って話やけど。
できる部分は絶対やる。数値の推移グラフ、ロット間比較、工程能力指数。全部データで見た方が速いし正確やって。俺もここ数年でスコアブックとExcelを組み合わせて独自のデータベース作ってるし、それは間違いなく武器になってる。
でもな。最終確認だけは、必ず自分の手と目でやるんよね。
データが「大丈夫」って言うてても、製品を実際に持ったときの「重心のブレ」とか、表面を指で撫でたときの「微妙な引っかかり」とか、そういう感覚が「待て」って言うことがある。そのときは赤ペン入れる。周りには『赤ペンの鬼』とか言われるけど、ほやほや、それでいいって思ってるんよな。
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職人の「目利き」がExcel化できない理由、つまりそういうことやって。
数値は「過去の記録」。身体感覚は「今この瞬間の判断」。この2つは役割が違う。どっちかが上やなくて、両方ないと完全じゃないんよね。
祖父の指が85年かけて覚えてきたもの、俺もまだ全部受け取れてはない。でも、その感覚を信じることの大事さだけは、ちゃんと体に刻まれてきた気がするんよね。
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