ミスが聞こえすぎる耳のこと

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合奏中、自分のリードのわずかな引っかかりが気になって、そこからもう何も集中できなくなる……っていう経験、ある人いるかな。

わたしはけっこう、ある。

たとえば16分音符の連符で、指は回ってるのに息のスピードがほんの少し足りなくて音の芯がぼやける瞬間。周りは「普通に吹けてたよ」って言ってくれるんだけど、自分の耳にはしっかり残ってる。あの、ざらっとした感触。指先が覚えてるというか……体が知ってるんですよね、「今のは違った」って。

これ、強みだと思ってた時期もあります。

細かいミスに気づけるから修正が早い。ピッチのずれも、タンギングの粒の不揃いも、録音を聴き返す前に自分で拾える。パート練で後輩の音を聴くときも、「3小節目の付点の長さ、もうちょっとだけ保って」みたいに具体的に伝えられる。副パートリーダーとしては、うん、まあ……役には立ってると思う。

でも。

課題というか、しんどい面もあって。

本番中にミスを拾った瞬間、頭の中に赤いランプが灯るんです。そこから呼吸が浅くなって、次のフレーズの入りがこわくなる。指が冷たくなって、アンブシュアが硬くなって……悪循環。コンクール前なんて、胃がずっとぎゅっとしてます。

「気づかなければ楽なのに」って、何度も思った。……いや、思う。今も。

でもこの前、合奏でふっと全員の音が溶けた瞬間があって。倍音がホールの天井のほうで混ざって、空気の色が変わったみたいだった。あの一瞬を「聞こえた」のは、たぶんこの耳があるからで。

ミスが聞こえすぎる耳は、きれいなものも深く聴ける耳なんだと思う。……どうなんだろ、自分に都合よく言ってるだけかもしれないけど。

ちゃんとしなきゃ、って思うたびに苦しくなる。でもその「ちゃんと」の基準を自分の耳が持ってるのは、たぶん、悪いことじゃない。

まだうまく折り合いはつけられてないけど、この耳と一緒に吹いていくしかないので。

……うん、まあ。今日も練習します。

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