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言葉にならない感覚が、30年積み重ねた身体に刻まれている——クラリネット奏者が気づく「身体が先、言葉は後」の本質

うまく言えないんだけど、と前置きしてから話しはじめることが、最近増えた気がする。 先日のパート練習で、後輩の子に「どうすれば美波さんみたいに息が続くんですか」と聞かれた。 ……どうすれば、か。 正直、すぐには答えられなかった。
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50歳になって気づく、「計測できない身体感覚」がクラリネットの音色を決めている理由

若い頃は、数字で測れるものを信じていた。 練習時間、メトロノームの数値、録音の波形。全部記録して、全部比べて。それが誠実さだと思っていた。 ……うん、まあ。今でもそれは間違いじゃないと思う。でも。
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湿度が変わると、楽器の音も自分の身体も変わる——梅雨時期に気づく、季節と向き合い直すこと

梅雨に入ると、まず楽器が正直に教えてくれる。 クラリネットのトーンホールに指を当てた瞬間、なんとなく重たい。音の輪郭が、ぼんやり滲む感じ。リードが湿気を吸って、いつもより息の抵抗が変わる。「あ、今日は梅雨だ」と思う。
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体で覚えた音楽知識は、言葉にして初めて次の世代に渡せる——クラリネット指導で気づいた「暗黙知の継承

「なんとなく、こう吹くんだよ」 ……昔の美波なら、それで済ませていたかもしれない。 指導を始めた頃、生徒に何かを伝えようとするたびに、言葉が追いつかない感覚があった。
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完璧でない記録が、次の本番へ踏み出す力になる——自然音から学ぶ「不完全さの中の美しさ」

昨日、部活が休みだったので近所の縮景園をひとりで歩いた。 楽器も持たず、イヤホンもせず。……なんとなく、音を聴きたかっただけ。 池のそばに座ったら、水の音が聞こえた。 一定のリズムじゃない。風が吹けば揺れるし、鯉が動けば崩れる。
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記録されない選択肢へ——なぜ演奏の「失敗」をメモに残すことが、次の本番を支えるのか

本番が終わったあと、録音を聴き返す人は多いと思う。 でも、「あのとき何を考えてその音を出したか」まで書き残す人は……どうなんだろ、あんまりいない気がする。 私もずっとそうだった。
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無駄だと思ってた「ブレス」と「揺らぎ」が、実は演奏全体を支えている——楽器の設計から学ぶ構造思考

昨日の合奏で、先生に「ブレスが浅い」って言われた。 ……いや、正確には「ブレスを"邪魔なもの"だと思って吹いてるでしょ」って。 図星だった。 私はずっと、ブレスを「音楽が途切れる瞬間」だと思ってた。
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完成度を求めすぎると初心を見失う——「磨き続ける」ことの落とし穴

最近、練習していてふと手が止まった。 同じフレーズを何十回も繰り返して、指の動きも息の入れ方も、たぶん前より整ってきてる。……でも、なんか違う。音が「正しい」のに、「好き」って思えない。 そういうこと、ないかな。
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体が先に知る——クラリネットの上達で言葉にならない部分を信じること

練習していて、ふと気づくことがある。 昨日までどうしても引っかかっていたパッセージが、今日はなぜか指が迷わない。息の入れ方も、舌の位置も、何を変えたのか自分でもよくわからない。……でも、確かに昨日とは違うんだ。
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「止めなかった」ことの積み重ねが、いつか形になる——うまくいかない日も練習室に行く意味

今日、ほんとにダメな日だった。 ロングトーンの時点で息が浅くて、音がふらふら揺れて。スケールも指がもたつくし、合奏では自分のピッチの違和感がずっと耳に残ってた。……うん、まあ、こういう日ってある。わかってる。わかってるんだけど。
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