あ。これ、いるの?
はるきにさそわれて、はじめてサッカーのしあいを見に行ったときのこと。
スタジアムって、おおきい。おと、ざわざわ。ひと、いっぱい。しずくは、しばらく入り口で止まって、じっとながめた。
はるきは「はやくはやく」って先に行ってた。しずくは、ゆっくり。自分のペースで、中に入っていった。
持っていってよかった、と後で思ったものを、ここに並べてみる。
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ひざかけ / 薄手のブランケット。スタジアムの風、つめたい。座ってると体がひえてくる。空が近い場所って、思ったより風があるということ。
水と、すこしのおやつ。待つ時間がある。観戦って、体は動かないけど、ずっと集中してる。気づいたらのどがかわいていた、ということ。
耳栓、か、イヤーマフ。ゴールのとき、みんながいっせいに叫ぶ。おとが、どん、ってくる。びっくりする。しずくには、少し大きすぎる音だった。あらかじめ持っておくと、自分で音の大きさをえらべるということ。
小さいメモ帳と鉛筆。見ていて気になったこと、ひとの動き、芝の色、ぽつぽつ書いた。観戦記録というより、感覚のかけらを残す感じ。
体が先に知ること
サッカーのボールの動き、選手の走り方、風のにおい。全部、目で追って、肌で感じて、それから言葉になる。
しずくにとって観戦って、「見る」というより「浸かる」に近いということ。
持ち物を整えておくと、その「浸かる時間」をじゃまされずにすむ。防寒、水分、音の調整。これが全部、自分の感覚を守るものだと気づいた。
混んだトイレや急な天気の変化も、ちいさい折りたたみ傘と、ゆとりのある時間割があれば、あわてなくていい。
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サッカー場の芝って、遠くから見るとびっくりするくらいきれいな緑色なの。
おぉー……ってなった。すき。
それだけで行ってよかったと思えるということ、しずくにとってはある。
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