雨の試合観戦、何を着るかという問いは案外まじめな話
先日、息子に誘われてさいたまのサッカースタジアムへ足を運んだのですが、天気予報は「昼過ぎから雨」というなかなか厳しい一言でした。33歳の息子は当然のように「ワークマンで揃えればいいじゃないですか」と言うわけです。私のような世代には、ワークマンというと作業服・土木・工事現場という身体知が強く染みついていて、正直なところスポーツ観戦のウェアとして真剣に検討したことがなかった、ということに気づく。
ところが息子に連れられてワークマンの売り場を歩いてみると、これが深く見応えのある棚になっていましてね。アウトドアウェアや防水レインウェアがずらりと並んでいる。価格帯を見ると、透湿防水素材のレインスーツが1,500円から3,000円程度、機能素材を使ったものでも5,000円を超えることはほぼない。同等の耐水圧・透湿性能を謳うアウトドアブランドの製品と比較すると、感覚としては4分の1から5分の1程度の価格帯に収まっていることを確認した。これは費用対効果という観点から、静かに無視できない差ですね。
実際にスタジアムで使って分かったこと
試合当日、前半を過ぎたあたりから予報どおりの雨が降り始めました。私が選んだのはワークマンの「イージス」シリーズのレインウェア上下です。耐水圧は10,000mm以上と表示されており、一般的なアウトドア基準では「嵐にも対応」と分類されるスペックになる。実際のところ、2時間近く降り続く雨のなかでも膝から上はほぼ濡れず、身体が冷えるという感覚もなかった、ということをここに記しておきたいと思いますよ。
ただ一点、正直に申し上げておくと、透湿性については高機能ブランドと比べると劣る面があると感じました。長時間の着用になると内側がやや蒸れてくる。この点はスペック表の数値だけでは測り切れない身体知の領域で、経験してみて初めて言語化できることですね。とはいえ、観戦という用途――つまり激しく動き回るわけではない場面――であれば、この蒸れは許容範囲に収まると思いますよ。
息子世代の合理性に、学ぶことがあると思う
今回この体験を通じて私が感じたのは、品質と価格の関係に対する自分の思い込みが、データではなく古い感覚に依存していた、という部分です。ワークマンの2023年度の売上高は約1,025億円(同社発表)で、アウトドア・スポーツ用途への展開が明らかに成長を牽引している。消費者がこれだけ選んでいるという事実は、それ自体が一つのデータとして重みを持つ。
右から左まで、立場を問わずこれだけは言えることがあります。限られた予算のなかで最大限の備えをするという発想は、若い世代が日々実践している知恵であり、私たち上の世代が丁寧に受け取るべき感覚だ、ということです。息子の「ワークマンでいいじゃないですか」という一言の背後に、実はかなりの合理性が宿っていた、ということに到達した雨の観戦日でした。
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