結論から言います
数値化できない「違和感」こそ、組織の異変を最も早く捉えるシグナルだと考えています。
ここが肝なんですが、問題はその違和感を制度に乗せる設計ができているか否か、に尽きます。
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身体知という厄介な資産
以前こういうケースがありまして——ある部署で離職者が相次いだとき、マネジャーは「数字上は問題ない」と言い続けていました。
月次レポートには確かに異常値は出ていない。ところが隣の課長は「あそこ、なんか空気がおかしい」と数ヶ月前から感じていた。
要は、身体知が先行していたわけです。
長年の経験が蓄積した感覚、いわゆる暗黙知の一種です。数値が後追いで証明したとき、現場ではすでに手遅れに近い状態になっていた。
この「ズレ」を制度として吸収できなかったことが、矢島の中では大きな学習になっています。
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違和感を可視化する三つの切り口
では、どう組み込むか。矢島が検証してきた方法を整理すると、次の三点に収束しました。
① 定性シグナルの定期収集
月次の1on1に「最近引っかかっていることは?」という問いを標準項目として設ける。
感情の吐露ではなく、感覚の記録として残す場を設計する。
② 報告書の「所感欄」を復権させる
数値報告だけの様式は、身体知を捨てる構造になっている。
所感欄を復活させ、上長が読む義務を明示することで、違和感の言語化が習慣化されることが示唆される。
③ 異変フラグの閾値を低めに設定する
「確信してから報告」ではなく「気になったら記録」に変える。
誤検知を恐れるより、見逃しのコストが高い——この認識を制度の前提にする。
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精度より継続性
身体知は、記録し続けることで初めて組織の財産になります。
一回の違和感は主観に過ぎないが、三ヶ月分の記録は傾向になる。
ゴルフのスイングと似ていて、感覚だけでは再現できない。記録と照合を繰り返すことで、初めて精度が上がっていくということに気づく。
組織判断の質を上げたいなら、数値を精緻化する前に「感覚を記録する仕組み」を先に整えるべきだというのが、今のところ矢島の結論に至るところです。
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