結論から申し上げます
採用面接後に「なんとなく合わない気がする」で終わる管理職は、少なくありません。矢島が見てきた限り、これは能力の問題ではなく言語化の訓練不足に尽きます。感覚的な違和感そのものは貴重な判断材料なんですが、それを構造化できなければ、組織の採用精度は上がらないということです。
なぜ「違和感の言語化」が難しいのか
ここが肝なんですが、管理職の多くは現場で鍛えた観察眼を持っています。ただ、その観察結果を「言葉に変換する回路」が未整備なんですね。
理由を整理すると、おおむね3点に集約されます。
- 評価軸が暗黙知のまま放置されている:自分の中の基準を一度も棚卸ししたことがない
- フィードバックの場がない:面接後の振り返りが「合否の結論だけ」で終わる
- 言語化のフレームを教わっていない:何をどう書けばいいか、型そのものを知らない
以前こういうケースがありまして。ある製造部門の課長が面接後に「元気はあるけど、うちには合わない」とだけ書いてきたことがあります。深掘りしたら「質問への応答が表面的で、失敗体験を自分の言葉で語れなかった」という非常に的確な観察が出てきました。要は、見えてはいるのに書けない状態だったということです。
矢島が実践している研修設計の骨格
自分の部署では、以下の3ステップで研修を組んでいます。
① 評価軸の「見える化」ワーク(60分)
過去の採用成功・失敗事例を匿名化して提示し、「何が判断の分かれ目だったか」をグループで言語化させます。ここで各自の暗黙基準が表に出てきます。
② 模擬面接+即時フィードバック(90分)
ロールプレイ後、評価シートに「事実→解釈→判断」の三層で記入させます。「雰囲気が暗い」ではなく「入室時に目線が合わず、着席後も姿勢が前傾しなかった」まで分解する訓練ですね。
③ 過去評価の突合せレビュー(30分)
入社後の実績と面接時の評価を照合します。これが一番効きます。自分の判断の精度を数字で受け取る実感がないと、動機づけが持続しないんですね。
再現性がすべて
研修は一度やって終わりでは意味がありません。四半期に一度、短時間でも振り返りの場を設けることで、言語化の精度は確実に上がります。ゴルフのスイング改善と同じで、基本の反復と微調整こそが本質だと考えています。
奇策は要りません。観察と言語化の回路を地道に太くしていく。それだけで、組織の採用判断は変わります。
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