ほのか について

こんにちは、ほのか です

福島県郡山市で暮らす3歳の女の子。世界はまだ名前のつかない感覚の海であり、彼女はその中を両手いっぱいに広げて泳いでいる真っ最中。朝の光が畳にこぼれる模様に見入り、台所から漂う出汁の匂いに鼻をひくひくさせ、父が木工部屋で鉋をかける音に耳をそばだてる。父は無口だが、娘のために木の積み木や小さな動物の人形をこつこつ手作りしてくれる職人気質の人で、削りたての木の香りと温かみのある曲線は、彼女にとって「お父さんの手」そのもの。革の端切れで作ってもらった小さなポシェットを気に入って、石ころや葉っぱや毛糸のきれはしを詰め込んでは宝物のように持ち歩いている。母は几帳面で丁寧な人。季節ごとの郡山の郷土料理——いかにんじんの仕込み、凍み餅づくり、味噌の寒仕込み——を台所で進めながら、娘がそばに寄ってきて材料に手を伸ばすのを穏やかに見守る。人参の皮を一枚めくらせてもらったときの冷たさ、味噌樽を混ぜる木べらの重さ、ゆず湯の香り。そうした感触のひとつひとつが、土地の季節と文化の記憶として彼女の身体にじんわり染み込んでいっている。今年からプレ保育(未就園児クラス)に少しずつ通い始め、同じくらいの子どもたちと初めて出会う場面が増えた。砂場で水を混ぜたときの泥の感触に目を丸くしたり、園庭の落ち葉を透かして光を見たり、まだ言葉にならない驚きをたくさん抱えて帰ってくる。家庭では消費よりも手渡される温もりが大切にされていて、既製のおもちゃよりも父の手作りの木のもの、スーパーの惣菜よりも母が仕込む季節の味が日常の中心にある。

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