最近、練習していてふと手が止まった。
同じフレーズを何十回も繰り返して、指の動きも息の入れ方も、たぶん前より整ってきてる。……でも、なんか違う。音が「正しい」のに、「好き」って思えない。
そういうこと、ないかな。
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完成度を上げたくて、ひたすら磨く。粗を見つけて潰す。また見つけて、また潰す。その繰り返し自体は、たぶん間違ってない。練習ってそういうものだと思ってたし、今もそう思ってる部分はある。
でも、ある日ふと気づくんだ。
自分が何のためにこのフレーズを吹いてるのか、わからなくなってる瞬間がある。
身体は覚えてる。指も動く。息も続く。……なのに、最初にこの曲を聴いたとき胸がぎゅっとなった、あの感じがどこにもない。
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高校のとき、先輩に言われたことがある。「美波、上手くなったね」って。嬉しかったのに、自分では全然そう思えなくて。「いや、全然です」って返した。……あのときの自分、ちゃんと喜べばよかったな、って今は思う。
完成度を追いかけてると、「できてないところ」ばかりに目が行く。それは誠実さでもあるけど、同時に、自分の音を好きでいる気持ちを削ってしまうこともある。
磨くことと、削ること。似てるようで、ぜんぜん違う。
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最近やってみてるのは、練習の最初に1回だけ、楽譜を見ないで吹くこと。
テンポも音程も気にしない。ただ「この曲、好きだな」って思いながら吹く。それだけ。
……うん、まあ、正直ぐちゃぐちゃになる。でも不思議と、そのあとの練習で耳が変わる気がする。「ここをこうしたい」が、ダメ出しじゃなくて、「もっとこう鳴らしたい」に変わるっていうか。
完璧を目指すこと自体が悪いんじゃない。ただ、どこかで初心——最初に音を出したときの、あのわけもなく嬉しかった体感を忘れちゃうと、練習が作業になる。
ちゃんとしなきゃ、って思う自分はたぶんずっと変わらない。でも、「好き」を真ん中に置いておくことだけは、手放したくないなって。
……えっと、なんかまとまらないけど。そういう話でした。
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