まず結論から言うとな
絵日記って、子どもの夏休みの宿題やろ?——そう思てる人が多いんやけど、俺はそうは思わへん。絵日記は「観察して、言葉にして、手で描く」という三つの動作をワンセットで鍛える、ものすごくよくできたトレーニングやねん。
60年生きてきて、方眼ノートに配線図を描き続けてきた俺が言うのも説得力あるやろ? 記録する習慣は、子どものうちに絵日記で育てておくと、あとあとじわじわ効いてくるんだ。
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絵日記の「基本の型」——ここだけ押さえたら十分やねん
絵日記に難しいことはいらん。ページ構成はこれだけでええ。
- 日付と天気:これがのちのち「いつ?どんな状況で?」の基礎情報になる
- 大きな絵(ページの半分以上):見たもの・やったことを大きく一枚
- 三〜五行の文章:「何をしたか」「何を感じたか」「気になったこと」を順番に書く
ポイントはな、絵が上手くなくてもええということやねん。俺も子どもの頃、絵は苦手やった。でも「正確に描こうとする行為」が大事で、うまさは関係ない。たとえば公園で見つけたダンゴムシを描くとしたら、足が何本あったか、背中の模様はどんな形やったか——そこを観察しながら描くことが、理科的な観察眼の原点やねん。
文章も同じで、最初は「楽しかったです」だけでもええ。そこから「何が楽しかったのか」「なぜそう感じたのか」を一行ずつ足していく習慣をつけると、半年後にはびっくりするくらい文章が変わってくるんだ。
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絵日記を「深める」三つの工夫
ここからがちょっと踏み込んだ話やねん。
① 「比べる」視点を入れる
「昨日より大きくなってた」「先週見た花と色が違う」——こういう比較の言葉を一言入れるだけで、観察が格段に深まる。俺が工房で部品の状態をノートに記録するときも、必ず「前回との差分」を書くようにしてる。この感覚、絵日記で育てられるんやねん。
② 「なぜ?」を一個書き添える
「なんで空が赤くなるんやろ?」「なんでセミは夜に鳴かへんのやろ?」——答えはわからんでいい。疑問を書き留めておくだけで、あとで答えを見つけたときの喜びが全然違う。「原因がわかれば直せる」というのが俺のモットーやけど、その出発点は「なんで?」という問いを持つことやねん。
③ 数字や大きさを入れる
「大きかった」じゃなくて「自分の手のひらより少し大きかった」。「遠かった」じゃなくて「自転車で15分くらいかかった」。数字や比較対象を入れると、記録としての精度がぐんと上がる。これ、理工系の習慣そのものやねん。高槻の公民館講座で子どもたちに電子工作を教えるとき、「まず測ってみよか」って口癖のように言うんやけど、絵日記でも同じことが言えるんだ。
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保護者や指導者の方へ——見守り方のコツやねん
俺が市民工房で若い子たちの隣に座って感じるのはな、「うまくできてる?」って聞くより「どんなこと気になった?」って聞く方が、子どもの目が輝くということやねん。
絵日記も同じで、添削しすぎへんのが一番大事やと思う。誤字を直すより先に、「これ、何が面白かったん?」と一言聞いてあげてほしいんだ。子どもが「ここ!」と指さしたところを、大人が一緒に見る——それだけで、書くことへの抵抗感がずいぶん薄れるんやねん。
俺自身、工房の先輩に「ここ、どう思う?」って聞いてもらえたとき、どれだけ救われたかわからん。言葉より先に、隣に座ってくれる存在が一番やねん。
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積み重ねが財産になる——60歳の実感として
俺の手元には数十冊の方眼ノートがある。失敗したこと、なぜ失敗したか、どう直したか——それが全部書いてある。これが今の俺の一番の財産やねん。
絵日記も、一冊一冊積み重なったとき、そこには「あの夏、自分はこんなことに驚いてたんや」という記録が残る。それは誰にも奪われへん、自分だけの地図やねん。書くことをめんどくさがらず、まず一行、一枚——そこから始めてみてほしいんだ。
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