結論から書く
筋トレの成果が出ない原因の大半は、トレーニングではなく食事にある。
もっと正確に言えば、食事の「管理方法」にある。
自分は製紙工場で生産管理を15年やっている。原料の投入量、工程ごとの歩留まり、完成品の品質チェック。これを毎日繰り返す仕事だ。
ある時気づいた。マクロ栄養素の管理は、生産管理とやっていることがほぼ同じだと。
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マクロ管理は「原料の配合設計」と同じ
マクロ栄養素とは、たんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)の3つを指す。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、エネルギー産生栄養素バランスとして以下の範囲が示されている。
- P(たんぱく質): 13〜20%
- F(脂質): 20〜30%
- C(炭水化物): 50〜65%
筋トレをしている場合、国際スポーツ栄養学会(ISSN)のポジションスタンド(2017)では体重1kgあたりたんぱく質1.6〜2.2gを推奨している。自分の場合、体重72kgなので1日あたり約115〜158g。ここを起点に残りのFとCを割り振る。
工場で紙を作るとき、パルプの配合比を決めてから薬品の量を調整する。順番が逆だと品質がブレる。PFCも同じで、まずPを固定し、次にFを決め、残りをCに充てる。この順番を守るだけで管理精度は格段に上がる。
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自分の実際の数値
参考までに、現在の自分の設定値を載せておく。
| 項目 | 数値 |
|—|—|
| 体重 | 72kg |
| 基礎代謝(推定) | 約1,600kcal |
| 活動係数 | 1.55(週5トレーニング) |
| 1日の目標摂取カロリー | 約2,480kcal |
| P | 150g(600kcal / 約24%) |
| F | 62g(558kcal / 約22%) |
| C | 330g(1,320kcal / 約53%) |
基礎代謝はハリス・ベネディクト方程式で概算し、体組成計の数値と照合して微調整している。ここも工場の計器校正と同じ考え方だ。計測機器が一つだけだと誤差に気づけない。
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記録のやり方──「日報」をつける感覚で
生産管理では日報が基本になる。食事管理も同じで、記録しなければ改善のしようがない。
自分が使っているのはスマホの栄養管理アプリ一つだけ。朝・昼・夕・間食の4区分で入力し、週末にスプレッドシートへ転記して週平均を出す。毎日の数値に一喜一憂する必要はない。週単位の平均値が設定範囲に収まっていれば問題ない。
工場でも1ロットごとの微細なバラつきより、月次の工程能力指数を見る。食事管理のスパンもそれくらいで丁度いい。
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ガレージジムだからこそ管理しやすい
旭川の冬はなまら寒い。マイナス20℃を下回る日もある。ジムへの移動時間がそのままトレーニング継続の障壁になる。
自宅ガレージにパワーラック、バーベル、可変式ダンベル、フラットベンチ。これだけあれば大筋群のコンパウンド種目は一通りできる。初期投資は約15万円だった。ジムの月会費を考えれば2年で回収できる計算になる。
移動時間がゼロということは、トレーニング後すぐに食事を摂れるということでもある。トレーニング後のたんぱく質摂取タイミングについては諸説あるが、ISSNのレビューでは「トレーニング前後の数時間以内」に十分なPを摂れていれば大きな差はないとされている。それでも、帰宅の手間がない分、食事の準備に時間を回せるのは事実だ。
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地味だが、確実に効く
メタボ判定を受けた29歳の頃、体重は85kg、体脂肪率は推定28%前後だった。今は72kg、体脂肪率15%前後。8年かけてこの数字になった。
劇的な変化ではない。年間1〜2kgの脂肪減と、少しずつ増えた筋量の積み重ねだ。派手さはないが、健康診断の数値は全て基準値内に収まっている。
生産管理の仕事で学んだことが一つある。工程を安定させるのは、革新ではなく標準化だということ。食事管理も同じだと思っている。自分のPFCの「標準」を決めて、それを日々淡々と回す。それだけのことだ。
特別な才能も、高額なサプリも要らない。必要なのは記録する習慣と、数字を見て微調整する姿勢だけだ。


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