「志帆」って、どんな名前やねん
えーっと、つまりな……今日は少し趣の違う話をしようと思う。
中川の職場に、志帆(しほ)という名前の若い子が入ってきてな。名札を見たとき、ふとこの字の組み合わせはええな、と思ったわけやねん。それから気になって、少し調べたり、自分なりに考えたりしてみた。
「志帆」は「志(こころざし)」と「帆(ほ)」という二文字で構成されてる。どちらも、なんというか、動きと方向性のある字やねん。
まず「志」。これは、心が一点を向いている状態を表す字やろ? 高い目標に向かって自分の意思を持って進む、という意味が込められとる。昔の人が「志を立てる」と言うたように、ただ夢見るんやなくて、意志を持って歩き出すイメージやねん。
次に「帆」。風を受けて進む帆船の帆やね。これが好きで。風が吹いたとき、帆はそれを逃さず受け止めて、船を前へ動かす。受け身のように見えて、実は能動的な力の使い方やなと中川は思う。追い風のときはもちろん、向かい風でも帆の角度を調整して進める、そういうしなやかな強さを感じるわけやねん。
名前には、作った人の「設計図」がある
ものづくりの仕事をしてると、部品の名前や記号一つひとつに意味があることを痛感するんよな。何も考えずに付けられた名前なんて、ほとんどない。
名前も同じやと思う。
「志帆」という名前に込められるのは、こんな意味やと中川は読んだ。
- 自分の意志をしっかり持って(志)、風(時代・出会い・チャンス)を捉えながら前へ進む(帆)
- どんな状況でもしなやかに方向を変えながら、目指す場所へたどり着く力
- 受けた力を推進力に変える、柔軟さと芯の強さの両立
これはなかなか、ええ設計やと思うわけやねん。
名付けた親御さんがどんな思いでこの字を選んだかは分からん。でも、少なくともこれだけの意味が読み取れる字の組み合わせやねん。
言葉の意味を知ることで、感覚が変わる
中川は電子部品の型番一つとっても、なんでこの名前になっとるんやろ、と調べてしまう癖があって。それと同じで、名前の意味を知ると、その人への見方がちょっと深まっていく気がする。
別に大げさな話やなくて。ただ、「志帆」という字を知った上でその子を見たとき、ああ、ちゃんと前向いて仕事してるな、と思えた。それが言葉の力やろ?
名前は毎日、何十回も呼ばれるもんやねん。その音と字が持つ意味が、本人の背中をそっと押し続けてくれるとしたら——なかなか、ええことやと中川は思う。
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