結論から申し上げます
採用面接で失敗経験を尋ねるのは、候補者の「再現性ある学習力」を見極めるためです。成功体験だけでは、その人が壁にぶつかったとき何を選ぶかが見えてこない。ここが肝なんですが、失敗の語り方にこそ、その人の判断の型が浮かび上がるということです。
なぜ成功体験だけでは足りないのか
矢島はこれまで延べ2,000人以上の面接に同席してきました。その中で気づいたことがあります。
- 成功体験は「環境要因」が大きく絡む
- 再現条件が変われば同じ結果が出る保証はない
- 本人の地力を見るには「負荷がかかった場面」が最適
要は、順風のときの振る舞いではなく、逆風下での思考回路を確認したいということです。
矢島が見ている3つの評価軸
面接で失敗経験を聞くとき、矢島は以下の3点を意識しています。
- 事実の解像度——何が起きたかを構造的に語れるか
- 自責と他責のバランス——原因を自分に引き寄せつつ、環境要因も冷静に分析できるか
- 行動変容の具体性——失敗後に何を変え、どんな結果が出たか
以前こういうケースがありまして。ある中途採用の候補者が、前職での納期遅延を語ったんですね。原因分析が明快で、再発防止のために自分で工程管理の記録シートを設計し直したと。数字も添えて説明された。これは納得感がありました。
逆に「失敗はありません」と答える方もいます。お気持ちはわかります。ただ——それは判断材料がゼロになるということです。面接官としては非常に困る。
「現場感覚」との接地が大事
人事部門だけで評価軸を作ると、どうしても抽象的になります。矢島の会社では、現場の管理職にも面接に入ってもらい、失敗経験への質問についてフィードバックをもらう仕組みにしています。
現場が「この人は自分のチームで壁にぶつかっても立て直せそうだ」と感じるかどうか。この体感と、人事の評価シートが噛み合って初めて、採用の精度が上がるということです。
最後に
失敗経験を聞くことは、相手を追い詰めるためではありません。その人がどう転んでも立ち上がれる人かどうか、静かに確認する作業です。奇策は要りません。基本の問いを丁寧に重ねること。採用も、ゴルフのアプローチと同じで、地味な反復と微調整に尽きます。
いやぁ、こう書くと簡単に聞こえますが、毎回の面接で実践するのはなかなか骨が折れますね。それでも、組織は人で決まる。だからこそ、入口の設計を怠るわけにはいかないというのが矢島の考えです。
→ プロフィール / 他チャネルを見る


コメント