ねえねえ、油絵ってさ、「時間がかかる」がすごくいいんだよね
りこね、先日ひょんなことから油絵の基礎ワークショップに参加することになったの。
音楽教室の仲間に誘われて、「どうせ難しいでしょ……」って正直ちょっと身構えてた。でも行ったら、もう、わぁ、ってなって。
油絵ってね、描き方の手順がちゃんとあるの。まず「下地を作る」ところから始まるんだって。キャンバスに「ジェッソ」っていう白い液を塗って乾かして、表面をなめらかにする。これね、ピアノで言ったら「鍵盤を磨く」感じ。音を受け取る準備、みたいな。
でね、でね、下地が乾いたら「下描き」をするの。鉛筆じゃなくて、薄めた油絵の具か木炭でざっくりと。あとで絵の具で全部覆うから、細かくしすぎなくていいんだって。それ聞いて、すごく楽になったの。「最初は大きく、感じで」って、りこがいつも幼い生徒ちゃんに言うこととそっくりで、くすって笑っちゃった。
「重ねる」ことで生まれる、ごろごろとした深み
油絵のいちばんの特徴ってね、「重ね塗り」なんだよね。
水彩みたいに一発勝負じゃなくて、乾かしながら何度も何度も色を乗せていく。この「乾くのを待つ時間」が、音楽でいうと「休符」みたいで、りこはそこが好きになったの。
描き方のコツをまとめるとこんな感じ。
①下地づくり(ジェッソで下塗り)
キャンバス全体に白い下地材を塗る。2〜3回重ねると表面がつるっとして絵の具が乗りやすくなる。
②下描き(大まかな構図を描く)
木炭や薄めた茶系の油絵の具で輪郭をざっくり。細部より「全体のバランス感覚」を優先する。
③暗い色から塗り始める
油絵は「暗い色を先、明るい色を後」が基本。影の部分から塗っていくと立体感が生まれやすいんだって。これがね、すごく不思議で、最初は「え、暗くなっちゃう……」って思うのに、明るい色を重ねていくうちにどんどん絵がごろごろとした存在感を持ち始めるの。
④グレーズ(薄く透明な色を重ねる技法)
乾いた層の上に、メディウムで薄めた絵の具をそっと重ねる。光が透けて、色がきらきらって輝いて見える。これね、もっかい!もっかい!ってなる瞬間だった。
⑤仕上げのハイライト
最後に白や明るい色で光の粒をちょんと置く。これで絵に「息」が入る感じがして、わぁ、ってなるの。
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ワークショップの先生が「油絵は焦らなくていい絵なんですよ」って言ってたのが、りこの胸にすとんと落ちた。音も絵も、急いで出した答えより、時間をかけて重なったものの方が深みがあるでしょ?
そっか、そういうことか、ってひとりで静かに確認した午後だったの。
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