あのね、工房でね、すごいことがあったの!
でね、きのうお父さんの工房にいたらね、お父さんがちいさい木をガリガリガリってやってたの。カンナっていう道具でね。そしたらね、木のうすーいヒラヒラがくるくるって出てきて、ぼく思わず「みてみて!!」ってさけんじゃった。あのヒラヒラ、拾ってポケットに入れたの。いい匂いがするんだよ。なまらいい匂い。
でね、ぼくもやりたいってお父さんにゆったら、「そうすけはまだカンナはむずかしいな」っていわれて、かわりに紙やすりもらったの。ヤスリってね、ちょっとザラザラしてるの。でね木にあてて、こうやってシュッシュッシュッてやるとね、木がだんだんつるつるになってくるの!さわると「すべすべ〜」ってなって、なんか手がきもちよくて、ずっとやってた。
お父さんの手はね、ぼくの手よりずっとゴツゴツしてて、傷もいっぱいある。でね、「お父さんの手なんでそんなになってるの?」ってきいたら、「たくさん木をさわってきたからだよ」ってゆってた。ぼくの手もいつかそうなるの?なんで?どーして木をさわると手がゴツゴツになるの?わかんないけど、なんかうれしいきがした。
ぼくの「さくひん」ができたよ!
でね、でね! 今日ね、ちいさい木のかけらをやすりでずっとシュッシュしてたら、まんまるに近いかたちになってきたの。お父さんが「ほう、石みたいになってきたな」ってゆって、頭なでてくれた。ぼくね、その木をポケットに入れてる石とくらべてみたの。川でひろったほんとの石と、ぼくがつくった木のまるいやつ。
石はひんやりして、木はあったかい。石はおもくて、木はかるい。でね匂いがちがう!石はほとんど匂いしないけど、木はふわっていいにおいがする。これ、なんでなんだろ。お父さんにきいたら「木は生きてたからじゃないかな」ってゆってた。生きてた!木が!そうか、木って生きてたんだ。なまらすごくない?
でね、お母さんにもみせたら「図書館に木の本あるよ」っておしえてくれた。こんど絶対さがしにいく。
ぼくの手はまだちいさくて、お父さんみたいにうまくできないけど、でね、シュッシュするたびに木がかわっていくの。それってぼくがやったってこと、でしょ?それがね、なんかね、むねのなかがあったかくなる感じがするの。うまくいえないけど。
お父さんの手が知ってることを、ぼくの手で一つずつ覚えていく。今日は「木はあったかい」ってことを、覚えた。
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