ミシンの前に、ちょっとだけ立ち止まる話
古着リメイク、楽しいよね。わたしもほぼ毎週なにかしら縫ったり切ったりしてる。ヨレたTシャツの襟ぐりを開いてオフショルにしたり、デニムの裾をほどいてフリンジにしたり。手を動かしてる時間がいちばん頭が静かになる。
でもさ、最近ふと思ったの。
「サステナブルだからいい」って言葉、便利すぎないか? って。
古着をリメイクしてる自分、なんとなく”正しい側”にいる気がしちゃう。でもその感覚、ちょっと危ういなって。だから今日は、リメイクの楽しさとは別の話——サステナブルファッションにかかる”見えにくいコスト”について、自分の頭を整理するつもりで書いてみるね。
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コスト①:時間と労力、めちゃくちゃかかる
まず、これ。リメイクって時間がかかる。型紙を考えて、ほどいて、裁断して、縫い直して。ワンピース1着に丸一日使うこともある。フリーランスのわたしにとって、その時間は本来デザインの仕事に充てられる時間でもあって。
趣味だから楽しいけど、「環境にいいから皆やろうよ!」って気軽に言えるかっていうと……うーん。仕事と育児と家事で手一杯な人に「古着リメイクしなよ」なんて、ちょっと無責任かなって思う。サステナブルな選択って、ある程度の余白がある人の特権になりがちなんだよね。そこは正直に認めたい。
コスト②:素材の”質”問題
古着屋さんで「かわいい!」って手に取ったシャツ、家に帰って洗ったら生地がペラッペラだった——みたいな経験、ない? ファストファッション由来の古着って、そもそもリメイクに耐えられる品質じゃないことが多い。縫い代が少なすぎて形を変えられなかったり、一度洗うと風合いが完全に変わったり。
結局、リメイクに向く”いい古着”を探すコストもかかるわけで。安いから買う、じゃなくて素材を見極める目が要る。そしてその目を養うにも、やっぱり時間と経験がいる。
コスト③:「エシカルな自分」への執着
これがいちばん厄介かもしれない。サステナブルを意識し始めると、新品を買うたびに罪悪感がうっすら漂う。コンビニでペットボトル買っただけで「あ……」ってなる、あの感じ。
わたしも一時期、新しい服を買うことにブレーキがかかりすぎて、逆にクローゼットの中が”間に合わせ”だらけになったことがある。おしゃれが楽しくなくなった瞬間、本末転倒だなって気づいた。完璧にエシカルであろうとするストレスは、見えないけど確実にコスト。
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じゃあどうするの、って話
答えなんて出ない。出ないけど、わたしが最近やってるのは「今日は70点でいいや」って自分に言うこと。
リメイクする日もあれば、ふつうにZARAで買う日もある。古着の質感にうっとりする夜もあれば、新品のパリッとした白シャツに救われる朝もある。どっちかだけが正解ってことはなくて、その日の自分にとって”ちょっとだけマシな選択”がなにかを考えるだけで、たぶん十分なんだと思う。
サステナブルファッションのコストって、お金だけじゃない。時間、労力、知識、そして心の余裕。それを知ったうえで楽しむリメイクは、知らなかった頃よりずっと、いい手触りがする気がしてるよ。
——今日もミシンの前に座る前に、コーヒー淹れてひと息つこうかな。


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